1匹目

3/6
前へ
/116ページ
次へ
「…んだよ」 「今日さぁ 俺ん家泊まんね?」 いつもの気の抜けた顔で俺を家に誘う。 「何で?」 急に。 家には近寄るなって言ってなかった? そうだ。その時だ。 初めてこいつがキレたんだ。 へらへら逃げてばっかりだったのに。 『浮気でもしてんのかよ?』 そう言った俺に物凄い形相で怒鳴ったんだ。 なんて…言ったんだっけ? 覚えてない。 『お前に―――――――だ!!!!』 「何でって…んー…何となく?」 いつもと変わらない。 俺の手を握った事ない手がするり頬に触れて 首に沈んでいく。 冷たい手。 「……ヤリたいの?」 .
/116ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加