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「ここだよ」
あれやこれや町を引きずり回されて、大量の買物袋と着いたのはちょっと高めな高層マンション。
「ここの一番上。あき、荷物重くない?」
「重い」
両手に抱えたビニール袋は丸々と太っていて手はじんじんと痺れていた。
だけどそれは、あいつも同じ。
俺よりも重そうなでかい袋を俺より持ってるのに、人の心配してる場合か。
「大丈夫?持とうか?」
「いい。そんなに沢山持てないだろ」
「ゔ…そうだけど」
エレベーターに乗り込むと迷いもなく、最上階を押す。
こいつ普段何をしているのだろう。
こんな高そうなマンションに住めるほどの金持ちだったのか?
細部まで工夫の凝ったエレベーターを隅々まで眺めていると、軽快なあの音が聞こえた。
「ここだよ。ちょっと狭いと思うけど」
何て遠慮がちに開けられた扉の奥は広いのなんの。
嫌味にしか聞こえない奴の言葉もすっからかんになってしまった。
「あーもう無理!!!限界!!!」
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