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―――― 私は小さなドーム状の建物の中に居た。 建物と言うには堅固で、城塞と言うには大袈裟だった。 食料も既に二日前に底を尽き、私以外の人間も全て死に絶えた。 と思う。 何故なら私は外に出ることが出来ないからだ。 何かに閉じこめられた訳でも無い。 決して出れない訳ではない。 だが、核があらゆる国家から発射され森も、海も、人も焼き尽くした核の焔、あるいは放射能が私の体に悪い影響を及ぼさないのかと不安に駆られるのだ。 首を小さな木製の机に向ける。 私の家族の写真がある。 既に形を持たない程に古ぼけているが。 妻も死に、娘も死んだ。 カレンダーは既に捲るページを無くしていた。 それ程までに長い年月いたのかと驚く。 ………さて。
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