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だから言ったのに、
もっとゆーいちは寂しそうな顔して
「んっとね、すげーキレイでさ輝いてんの、そんで笑顔がかわいくてちょっと舌っ足らずな声で、ずっと昔から…」
あー、なんか泣きたくなってきた。
そんなに想ってんならさっさと告っちゃえよ。
「たっちゃん?」
(やべ、ボーッとしてた)
「ん、なに?」
「ねぇ、まだ気付かないの。」
「気付いてるよ、そのやつのことお前が大好きってことくらい。」
「…やっぱ気付いてない。」
「え。」
″ぎゅっ″
え、なにこの状況。
俺は…
ゆーいちに抱きしめられてる?
なんで――?
「ゆーいち、離して。」
「やだ。」
「え…」
やめてよ、勘違いするじゃねーか。
「まだ気付かないのかなぁ?」
ゆーいちは情けなく眉毛を八の字に下げて言いながら
抱きしめるのをやめ、今度は俺の肩を両手でつかむ。
「たっちゃんのことだよ。」
へ?
「ほんと鈍感なんだから(笑)」
さっきとは打って変わって笑ってるゆーいち。
上田竜也、状況把握不可能。
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