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「なぁ、上田。明日からさ、一緒に帰んね?」
「手繋いで?」
「まぁ、そうだな。」
「いいよ。約束な。」
そう言った上田はすごく嬉しそうに笑ってた。
二人の関係が特別になるまであと少し――。
「また雨だ。」
「今日は傘あるよ。相合い傘しようよ。」
「…いい。走って帰る。」
「え?
…たっちゃんのわがまま。もー、ほらっ。」
――我が儘なんて言いながらでも、結局は差し延べてくれるその手。
君が差し延べてくれるその手があれば俺は相合い傘なんて要らない。
濡れても心と、
ゆーいちと繋いでいる手は温かいから。
fin.
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