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俺たちは幼なじみ、
それ以上でもそれ以下でも…
-to lover-
そろそろ暑くなってきて半袖の服を着はじめるこの時期に
「たっちゃん、俺好きな人いるんだ。」
ヘタレでサッカー命で
彼女いない歴=年齢で
優し過ぎるやつから突然言われた一言。
幼なじみ…いや、俺の好きな人。
「へー、ハゲでも好きなやついるんだ。」
「いや、そりゃいることはいるっしょ。てか俺はハゲてねー。」
聞きたくなかった、
けど口は勝手に動いてしまうもので。
「で、どんな子なの?ゆーいちの好きなやつ。」
「…俺のことよく分かってる人だよ。」
よく分かってるやつ…
てことは仲良いってこと?
「あ、じゃあゆーいちのクラスの板野さんとか?最近仲良いみたいだし。」
―胸が痛い。
「いや、違うよ。」
(良かっ「男なんだよね。」
え?
―痛い、痛い。
「あー、そうなんだ。
全然気付かなかったわ。」
今俺ができる最大限の笑顔で言う。
「そいつ、人一倍鈍感なんだよね(笑)」
頭をかきながらそう言うゆーいちは凄く寂しそうだった。
―こんな顔ゆーいちにさせたくない。
「ねぇどんなやつ?俺協力してやるよ。」
ゆーいちがそんな顔するくらいなら俺が喜んで苦しんでやる。
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