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高校生の時、
友達と
自転車でお喋りしながらの帰り道。
お線香の香りがしたので
誰かこの辺りで亡くなったんだろうかと
思いながら、
「お線香の匂いがするね。」
と 友達に言うと、
「何の匂いもしないよ。」
と 言われた。
その時は
気のせいだと
気にも止めなかった。
その 二、三日後、
線香の香りがしていた家に
『忌』の紙が貼られていた。
それから、
何度か そんな事が
あったけれど、
気にも止めなかった。半年たった
冬のある日、
バスでの通学途中で
お線香の香りがしたので、
車内を見回した。
何処の窓も開いていない。
私は、後ろを振り返り、
『あの家かな?』
と 目線をやった。
その家は 反対車線側で、
12メーターは開いていた。
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