『お線香』1

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高校生の時、 友達と 自転車でお喋りしながらの帰り道。 お線香の香りがしたので 誰かこの辺りで亡くなったんだろうかと 思いながら、 「お線香の匂いがするね。」 と 友達に言うと、 「何の匂いもしないよ。」 と 言われた。 その時は 気のせいだと 気にも止めなかった。 その 二、三日後、 線香の香りがしていた家に 『忌』の紙が貼られていた。 それから、 何度か そんな事が あったけれど、 気にも止めなかった。半年たった 冬のある日、 バスでの通学途中で お線香の香りがしたので、 車内を見回した。 何処の窓も開いていない。 私は、後ろを振り返り、 『あの家かな?』 と 目線をやった。 その家は 反対車線側で、 12メーターは開いていた。 ´image=342177893.jpg
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