『迫り来る恐怖』2
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北側の勉強部屋は 横長の四畳間で、 窓を開けると 道路が正面に見える 位置にあった。 朝方まだ暗い時間帯 だった。予習をしていると、 あの、遍路の鈴の音が 朝靄の中からふっと 現れたかのように 低く、こもって 聞こえてきた。 その音は、 まだ遠くではあったけれど、 突然ベールを外したように はっきりとした 澄んだ音に変わった。
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