第4章 すれ違いの2人

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ルミンとメイトューレ、それにフィルシーは放課後、指定された場所の掃除を終えて教室に向かっていた。 始めぎくしゃくしていたルミンとフィルシーだが、今では普通に馴染んでいる。 「今日は確かメイちゃんとルミンちゃんの小隊の予選だったよね」 道中、フィルシーが尋ねた。 ルミンはメイトューレに誘われ第38小隊に所属している。 「そうよ。それがどうかした?」 大きな傷が走る右目をフィルシーに向け、ルミンが首を傾げた。 「えっとね、今日私このあとフリーなの。だから応援に行こうかなって思ったの」 「へぇ、なら負けられないな」 メイトューレが口の端を上げる。 「レルトがいないからさ、予選大丈夫かなって思ってたけど…………って、ルミンどうした」 不意に足を止めたルミンにメイトューレが不思議そうに尋ねた。 「レルト……だと?」 「あぁ、そういや言ってなかった。私の部隊にはもう1人いるんだ。レルト・ナイバートって名前で協会所属なんだぜ」 「知ってるわ……。アネルートフィアって言う親バカのいるミドルサポーターでしょ」 的確に特徴を捕らえた説明にメイトューレは思わず吹き出した。
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