序章 とある支部にて

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メルティオ王国にある農業都市ティール。 その名の通り、農業が盛んな都市である。 その都市の商業地区の一画に歪んだ協会のティール支部がある。 「失礼します」 その支部の支部長室のドアを1人の少女がノックする。 彼女は見た感じ15歳ぐらい。 明るい紫の髪を頭の上の方で黒いリボンで縛ったツインテールが真っすぐ背中に垂れている。 これだけなら普通の女の子だが、この少女は異様だった。 まず瞳。左目が紫、右目が緑と双眸異色。 顔立ちは綺麗なのだが、右の額から右頬にかけて右目を経由する大きな傷痕が、美少女感を台なしにしている。 「入って頂戴」 許可を得て彼女は入室する。 「ルミン・セティア、出頭しました」 ルミン・セティアと名乗る少女はティールの女支部長に敬礼をする。
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