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――ー赤。 見下ろした街は全てが赤かった。 夕焼けの比喩というわけではない。そんな穏やかな色ではなく、それはもっと禍々しい色だった。 熱風が肩で揃えられた柔らかな金の髪を揺らす。 街は燃えていた。 炎の勢いはとまりそうにもない。 ―――…許さない…! ぎゅっと握りしめた手のひらからは炎よりもなお赤い雫がしたたり落ちていた。
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