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「レンは欲がないよね」
「そうだね。お金あんまり欲しいと思わないし。お金があるからって幸せってわけじゃないから」
「じゃあレンの幸せってなに?」
「……好きなひとと一緒にいられることだよ。リンは?」
「あたしもレンと同じだよ」
リンはそう言うとギュッとレンに抱きつく。レンは細い指でリンの頬に触れ、そのままキスをした。
ん、と甘い吐息が漏れる。リンの瞳が切なさを帯びる。
「……あたしのこと、好き……?」
愛してると彼女の耳元で囁き、甘噛みする。ひゃと小さく悲鳴があがり、身体が跳ねた。
深く深くキスをする。吐息が重なり、視線が絡まる。
愛してる――。
ふたりは幸せだった。
この幸せがずっと続くと信じて疑わなかった。
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