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「ごめん。今日も行けそうにない。」
「ダメ。今日という今日は一緒に学校に行くの。」
奏は即答した。
―――互いに視線が合う。
「護。何時までここに居ても何も変わらないよ?」
護は心臓を握られたような気がした。
わかってる。
最初からそんなことはわかっているのだ。
ここに長く引き込もっている意味はない。
しかし、護は指摘された言葉に反論出来ず言葉に詰まる。
完全に図星だった。
「大丈夫。私がいるから。ね?一緒に行こう?」
そう言って奏は笑ってみせた。
「と、はい。じゃあ熱烈な告白も済んだ事だし、早いとこ学校行くか。」
護と奏、二人の時間が一瞬止まる。
「おいおい、何固まってんだ?早く支度しろ。」
「ちょっ!?陣!?何時からそこに!?」
顔を真っ赤にしながらあたふたとパニックに陥りながら奏が声のした方
玄関へと指を指す。
厳密に言えば玄関の壁に寄りかかる金髪の男、風切 陣(カザキリ ジン)をだが。
「大丈夫。私が一生あなたのそばにいるから……。の、辺りか―――」
「誰もそんな事言ってないわよ!!」
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