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「あれぇ?もしやとは思ったが自殺未遂の星見 護君じゃねぇか?」
え?
不意に声のした方へ振り返る。
"振り返ってしまった。"
「はっはぁ、やっぱり自殺未遂の星見 護か……こんな所でなにしてんの?病院でのカウンセリングはもういいのかなぁ?」
と、目の前の男子生徒は不敵に言い寄ってきた。
言葉がでなかった。
見た所、同じ制服を来ていた。
恐らく先輩なのだろう。
赤く染まった髪と両耳のピアス
自分の苦手なタイプの人間だと護は悟った。
「ちょっと!あんた、一体なんなのよ!?」
奏が一歩前に出て男の正面に立つ。
「あ゙ぁ゙ん?てめえ誰だ?俺はこいつと話してんだよ引っ込んでろ!」
苛立たしげに奏を睨む男。
しかし、すぐに何か察したように男は、薄汚い笑みを浮かべた。
「あ、もしかしてお前らこいつの友達かなにか?いやぁ大変だな。お前らも―――」
幻覚を見てマンションの屋上から飛び降りるようなやつが友達で。
そう言って大声で笑う。
「先輩。」
今まで黙っていた陣が動いた。
振り上げた拳が男子生徒の顔面に吸い込まれる。
そして、鈍い音を発てながら男子生徒は後ろに倒れこんだ。
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