01:始まりを告げる流星

9/27

1人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
「あれぇ?もしやとは思ったが自殺未遂の星見 護君じゃねぇか?」 え? 不意に声のした方へ振り返る。 "振り返ってしまった。" 「はっはぁ、やっぱり自殺未遂の星見 護か……こんな所でなにしてんの?病院でのカウンセリングはもういいのかなぁ?」 と、目の前の男子生徒は不敵に言い寄ってきた。 言葉がでなかった。 見た所、同じ制服を来ていた。 恐らく先輩なのだろう。 赤く染まった髪と両耳のピアス 自分の苦手なタイプの人間だと護は悟った。 「ちょっと!あんた、一体なんなのよ!?」 奏が一歩前に出て男の正面に立つ。 「あ゙ぁ゙ん?てめえ誰だ?俺はこいつと話してんだよ引っ込んでろ!」 苛立たしげに奏を睨む男。 しかし、すぐに何か察したように男は、薄汚い笑みを浮かべた。 「あ、もしかしてお前らこいつの友達かなにか?いやぁ大変だな。お前らも―――」 幻覚を見てマンションの屋上から飛び降りるようなやつが友達で。 そう言って大声で笑う。 「先輩。」 今まで黙っていた陣が動いた。 振り上げた拳が男子生徒の顔面に吸い込まれる。 そして、鈍い音を発てながら男子生徒は後ろに倒れこんだ。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加