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「先輩。俺は少々堪えが利かないもんで………」
用が無いならさっさと失せてくれませんか?
そう冷やかに言いはなった陣。
そんな陣の姿を護は初めてみた。
「てめぇ――ただで済むと思うなよ。」
「お前の方こそただで済むと思うなよ?次、こいつらにちょっかい出したら―――って痛っ!?」
「全く。遅いと思って様子を見に来て見れば………」
「だから俺らも朝、護の家に行こうって言ったじゃん」
唐突に現れた自分達と同じ制服の生徒二名。
片や、目付きが鋭く長い艶やかな黒髪が特徴の女子生徒。
片や、同じく目付きは鋭が短い茶髪と手に持った竹刀が特徴の男子生徒。
「おい。竜也(リュウヤ)……何で今俺がそれで殴られなきゃいけないんだ?」
陣が竜也と呼ばれた男子生徒の持つ竹刀を指差す。
「俺、風紀委員だから。」
仕事だからしょうがない。
と詫びれることもなく淡々と答えた。
「ふ、風紀委員!?じ、じゃ!?」
それを聞いた赤髪の男は女子生徒に目向ける。
さっきの威勢は何処へやら
その髪とは対照的にその顔を青く染めていく。
「そう。君の察した通り私が夜星(ヤホシ)学園の生徒会長だ。」
そう言って、目付きをよりいっそう鋭くする。
「ひ、ひぃっ!」
「風紀を乱すやつには罰を。」
竜也は逃げようとした男を捕まえる。
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