01:始まりを告げる流星

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「もしかして、火向(ヒムカイ)楓(カエデ)と竜也なのか?」 「良かった。君の中にまだ私達は存在していたんだな。」 安心したよ。 と、楓と竜也は心底安心したように息を吐いた。 「何今さらそんなこと言ってんの?覚えてて当然じゃん。」 奏がさも当然だと言い張る。 「はは、幼なじみの君たちとは違い私達は途中から混ざったからね覚えててくれてるか心配になったんだよ。」 特に竜也が心配していてね、と続ける。 「べ、別に、心配なんかしてないし。」 そんな竜也の態度に全員笑みをこぼす。 「しっかしだ、本当に久々にみんな揃ったんだ。このまま学校サボって遊びに行こうぜ?」 陣が名案とばかりに言った。 「そんなことより、みんな"これ"今でもちゃんと持っている?」 陣の名案(仮)を無視し奏は自分の首に掛けていたネックレスをみんなに見せる。 綺麗な青い珠。 サファイアに近いがそれよりもかなり透明度が高い。 「あぁ、それなら俺もあるぞ。」 ほら、と耳のピアスを指差す。 こちらは緑。 奏のそれとは違いかなり小さいが同じように綺麗な色をしている。 「私達もあれからずっと肌身離さず着けている。」 楓が右手を、竜也が左手を前に出す。 そこには綺麗な緋色の珠がいくつも繋がったブレスレット。
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