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「やっぱりみんな持っているんだ♪」
うん、うん。
と、何やら盛り上がるみんな。
「えっと、何だっけ?それ。」
しかし、護には全く心当たりがなかった。
一瞬場が凍り付く。
「え?何って何?」
奏が全く話しを飲み込めず聞き返す。
「いや、だからみんなが持っているそれ。何なのかな?って。」
「おいおい、俺たちに渡した本人がこんな大切なこと忘れてどうするよ?」
"渡した本人が"
つまり、護が渡したという事なのだが
全く、護には覚えがない。
「大丈夫か?護。君が私達にこれを渡してくれたんだぞ?」
「そう、これがあればまたこうやって集まれるからってカウンセリングを受ける前に。」
受ける前に?
どういうことだ?
目の前にいる友人達が嘘を吐いているとは思えない。
じゃあ何で?
護の身体が震える。
「お、おい大丈夫か?」
陣の声はすでに護には届いていない。
思い出せない?
カウンセリングを受ける前、それはマンションを飛び降りてから暫く後のことだ。
飛び降りて助けられたところからカウンセリングを受ける前。
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