01:始まりを告げる流星

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その間の期間の記憶が靄のかかったようにはっきりと思い出せない。 が、不意に見たことのない しかし、懐かしい少女の顔が一瞬護の頭の中に現れた。 「あれ?」 護は呟く。 「俺たちって五人で全員だっけ?」 「はぁ?何言ってんだよ、火向達は途中参加だったけど俺たちはずっと五人で遊んでただろ。」 なぁ奏。 と確認する陣。 だが、奏にその声は届いていなかった。 いや、奏だけではない。 火向姉弟にさえ声は届いていない。 「ねぇ、陣あれ何?」 空を見ながら奏は尋ねてくる。 「何って?」 陣も空を見上げる そして、護も後に続き空を見上げ 息を飲んだ。 空を様々な色の何かが駆けていた。 「流星群か?」 楓が呟く。 あれが何なのか全く分からない四人。 でも、護だけはそれが何んなのか検討はついた。 似ているのだ。 物心ついた時から見えていたあの発光体に。 あの日を境に全く見えなくなってしまったが間違いない。 そう確信した時だった。 「時は満ちました。」 澄んだ声が五人の頭に響く。 ―――その瞬間護達五人の意識は白く包まれた。
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