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護は寝たふりをやめて声の主に目を向けた。
年は同じ位だろうか?
短く癖のある白髪とおっとりとした雰囲気の女の子。
「あは、やっぱり起きていたんですねぇ。」
とくに驚く様子もなく笑う女の子は続ける。
「離れたところで、警戒していた私に気付いたのはすごいのです。」
そして、何故か頭を撫でられる。
「でもぉ、私を誘き出す為に寝たふりをするのは少し配慮に欠けると思うのです。」
今度は、め、と頭を軽く叩かれる。
何なんだこれ。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。」
「何ですかぁ?」
「君は、俺が君の存在に気付いてて寝たふりをしたって分かってたんだよな?」
「はい。その通りなのですよぉ。」
「じゃ、じゃあなんで俺の誘いに乗ったの?」
護は気がかりだった。
何故、全て理解した上で彼女は自分の目の前にいるのか。
「う~ん。あなたは私の存在に気付いていましたねぇ?」
護は頷く。
「でもぉ、あなたは自分から私に接触せず、私から接触する様に仕向けた………何故ですかぁ?」
「えっ?」
唐突な質問に言葉がでない。
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