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こんな薄暗い森で誰かと会うとすれば誰だって第3者を警戒してのものだと思う。
つまり密会だ。
で、あればだ。第3者の介入を避けたいのならこの場に居座るのは不自然。
どうしても会わなければいけない理由があるなら何かしらのアクションがあってもいい筈だ。
以上の2つが消えればこの場に留まる必要があるという可能性は限りなく0に近い。
「本当にすごいな。まるで探偵みたいだ。」
「タンテイ?って言う物は知りませんが私ってすごいのですかぁ?」
ん?これだけ頭が回る子なのに探偵を知らないのか?
護は少しばかり違和感を感じたがそういうこともあるだろうと気にしない事にした。
「あはは、間違いなく君はすごいと思う。」
正直にびっくりした。
と護が言うと。
女の子がぐいっと顔を近付けて
何かを確かめる様に目を覗き込んでくる。
彼女は身を引き言う。
「びっくりしたのは私の方なのですよぉ。まさか私がそこまで分かった上であなたの所に来ると確信していたなんて夢にも思いませんでしたぁ。」
あなたは心でも読めるのですかぁ?と小首を傾げる女の子。
「それはこっちの台詞だ。」
まさかそこまでバレているとは思わなかった。
確かに護は確信していた。
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