01:始まりを告げる流星

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他の四人を探し辺りを見回した時に護はその視線に気付き、警戒した。 しかし、視線や言葉に敏感な護は相手に敵意がない事がすぐに分かった。 そこで、護は視線の相手に話しかけてみようかと思ったのだが相手がこちらを警戒している以上話しかけようとすれば逃げられると判断した。 現に彼女は近付けてきたら逃げるつもりだったと言った。 護は頭をできる限り回転させ他の手段を模索した。 だが、いい案は何一つでない。 しかし、護はそこで相手に疑問を抱いた。 相手は警戒しているが、何時でも逃げられる状況にあった。でも何故、逃げようとしないのか。 それ以前に何故こんな薄暗い森に一人でいる? それはつまり、相手が"この場所に何かしら目的がある"のではないか? と、護は結論づけた。 なら、後は簡単だ。 こちらの意図を探らせ理解させて相手からのアプローチを待つだけでいい。 まぁ、何にせよ相手が護の前に現れるのはほぼ確定だった。 何せ、こんな薄暗い森に一人で来るなんて危険を冒すくらいだ余程大事な目的があっての事だろう。 逃げなかったのがその証拠だ。 遅かれ速かれ彼女は護と接触していた筈だ。 今までのやり取りも100%ではない可能性の保険に過ぎなかった。
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