1人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
頭の容量は既に限界だと頭痛が知らせる。
「それと、俺に何の関係が?」
「昔読んだ本にこんな一節があったのですよぉ。」
――星より漏れた力が失われし時、星に誘われし存在がその代わりを果たすだろう―――
「その存在が俺かも知れないと………。」
サーシャはただ頷いた。
「で、でも、まだ星の加護は失われてないんだろ?だったら俺とは関係ないんじゃないかな?」
そう言った護は後悔した。
一瞬。ほんの一瞬だったが彼女が悲しそうな顔をしたのだ。
「そうなのですよぉ。まだ星の加護は失われていません。だからぁ、護は何かの手違いで星に誘われて迷いこんだのではないですかぁ?」
「手違いで星の外に迷いこんだって、なかなか悲惨だな。」
「ん~、多分護が考えているより状況は悲惨だと思うのですよぉ?」
「はい?」
「護は今、自分の世界の枠を基準に考えていると思うのです。でもぉ、恐らく護はその枠の外にいる可能があるのですよぉ」
最初のコメントを投稿しよう!