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「ここが、セスタか………」
森から無事に出られた俺達は、そこから何時間歩いたのだろうか。
容赦ない日差しを向けてきた太陽は、いつしか沈みかけて世界をオレンジ色に染め上げていた。
「はい、ここが中央大陸にある都市セスタなのですよぉ。」
と言っても入口なのです。というサーシャ。
「これが街の入口って………」
自分は本当に異世界に来たんだなと実感した護は目の前にある高々にそびえ立つ門らしきそれと、街の周りを覆って造られているであろう外壁を見てそれ以上の言葉が出なかった。
「じゃあ、街に入るのですよぉ。」
そう言って、門らしきものに向かって歩き出す。
「ちょっと待った。これって門だよな?」
「ん~?もちろんなのですよぉ。」
目の前にあるその門は、どう考えても人の力で開け閉めできるような代物ではなく
ましてや、目の前の女の子には到底無理だろう。
「まさか、この門をサーシャが開けるの?」
「私がそんな力持ちに見えるなら、護は一度その眼を医者に見てもらったほうがいいのですよぉ。」
笑顔のサーシャ。
しかし、護の背中を何故か冷や汗が伝う。
「あ、いや………そういう意味で言ったのではなくてですね?その………。」
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