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「じゃあ改めて街に入るのですよぉ。」
サーシャが手を出す。
恐らく、手を繋がないと一緒に入れないのだろう。
若干気恥ずかしく、抵抗はあったもの彼女の手を握る
それを確認したサーシャはゆっくり門に触れた。
一瞬の浮遊感。
「セスタにようこそなのですよぉ。護。」
「えっ?もう街の中!?」
一瞬の出来事。
しかし、石畳で整備された街路や赤茶色の煉瓦で造られた建物。
間違いなく、そこは街の中だった。
「凄いな。」
門の機能も凄かったが護は何より夕焼けに照らされた街の風景に目を奪われた。
「中世のヨーロッパってのはこういう感じなのかな。」
もちろん護は中世のヨーロッパなんて言っても見たことはない。
ただ漠然とした知識があるだけ。
でも、眼前に広がるその景色はそれを感じさせる何かがあった。
「良い街だな。」
護は自然とそんな言葉がでた。
「護が気に入ったようで、私も嬉しいのですよぉ。」
サーシャは何時にも増して笑顔だった。
「それで。サーシャの家はどの辺なの?」
「ん~、私の家に行く前に寄って行きたい場所があるのですけどいいですかぁ?」
「あぁ、構わないけど。」
「じゃあ、こっちなのですよぉ。」
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