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「ここなのですよぉ。」
そこは小さな教会だった。
「サーシャなのです。失礼しますなのですよぉ。」
サーシャが扉を開けようとする。
が、開けるより早く中から子供達が雪崩の如く飛び出してきた。
「サーシャだ!」
「サーシャお姉ちゃんどうしたの?こんな時間に。」
「今から遊ぶのか?」
わいわい騒ぐ子供達にすぐさま囲まれるサーシャ。
「今日は、先生に渡したい物があるのですよぉ。」
サーシャが用件を伝えた所で護は1人の少年と目が合った。
「あー!サーシャが彼氏連れて来た!!」
目が合った少年の一言で子供達の視線は護に注がれる。
「え?」
嫌な予感しかしない。
「きゃーっ!サーシャお姉ちゃんが彼氏連れて来た!!」
「彼氏だ!彼氏!!」
「サーシャの彼氏だ!」
たちまち子供達に囲まれる護。
子供達の反応にどう対応していいものか分からずただ立ち尽くす。
「ち、違うのですよ!?護は今日知り合ったばかりなのです!」
子供達に言って聞かせるサーシャ。
しかし、子供達は全く聞く耳を持たない。
「ふぅ。何の騒ぎだ?全く。」
入口で子供達に囲まれること数分。
騒ぎを聴いて奥から白衣をきた中年の男性が様子を見に出てきた。
「夜分遅くに申し訳ないのです。先生。」
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