02:都市の陰り

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「ここなのですよぉ。」 そこは小さな教会だった。 「サーシャなのです。失礼しますなのですよぉ。」 サーシャが扉を開けようとする。 が、開けるより早く中から子供達が雪崩の如く飛び出してきた。 「サーシャだ!」 「サーシャお姉ちゃんどうしたの?こんな時間に。」 「今から遊ぶのか?」 わいわい騒ぐ子供達にすぐさま囲まれるサーシャ。 「今日は、先生に渡したい物があるのですよぉ。」 サーシャが用件を伝えた所で護は1人の少年と目が合った。 「あー!サーシャが彼氏連れて来た!!」 目が合った少年の一言で子供達の視線は護に注がれる。 「え?」 嫌な予感しかしない。 「きゃーっ!サーシャお姉ちゃんが彼氏連れて来た!!」 「彼氏だ!彼氏!!」 「サーシャの彼氏だ!」 たちまち子供達に囲まれる護。 子供達の反応にどう対応していいものか分からずただ立ち尽くす。 「ち、違うのですよ!?護は今日知り合ったばかりなのです!」 子供達に言って聞かせるサーシャ。 しかし、子供達は全く聞く耳を持たない。 「ふぅ。何の騒ぎだ?全く。」 入口で子供達に囲まれること数分。 騒ぎを聴いて奥から白衣をきた中年の男性が様子を見に出てきた。 「夜分遅くに申し訳ないのです。先生。」
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