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城に着いた護は城内で誰にも出会うことなくサーシャに部屋へと案内された。
「私はお父様に事情を説明してくるので、自由に寛いでいていいのですよぉ。」
そう言ったきり彼女は戻って来ず。
護は一人、部屋のテーブルに伏せていた
「みんなはどうなったのかな。」
奏、陣、楓と竜也。
あの場にいた俺達がこの世界に来てしまったのだろうか?
それとも―――
「俺だけ………か。」
仮に全員この世界に来てしまったとする。
その場合、どうやって他の誰かを探せばいいのだろうか。
森でサーシャが地面に書いた地図を思い返した。
中心にある小さな大陸を囲むよう四方に存在した四つの大陸。
サーシャの言う中央大陸とは中心にあった小さな大陸のことを指すのだろう。
なら、護は今中央大陸にいることになるが自分が中央大陸に飛ばされたからといって全員がそうであるとは限らない。
他の大陸に飛ばされた可能性だってある。
「ふ。お前が今考えていることは存外的を経ているな。」
「誰だ!?」
燭台の灯りが届かない部屋の隅。
窓から射し込む月明かりが自分の背丈ほどある大きな剣のようなものを背負った黒い布を纏うそいつの存在を護に知らせる。
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