1人が本棚に入れています
本棚に追加
/70ページ
身長は護より少し高く声で間違いなく男だと判断できた。
だが、そんなことより男の背負った大きな剣のようなものに護は驚きを隠せなかった。
それを知ってか、男は護の元へと歩を進め
その剣を護の目の前に突きつける。
空気の膜を突き破り認識することすら出来ずに目の前に突きつけられたそれを護は身体を震わせながら見つめることしか出来なかった。
「お前の居た世界でこいつを見る機会何てないだろうからな」
男は剣を背中に戻す。
「な、何なんだあんたは………」
身体の震えを無理やり押さえこみ護は男に訊ねる。
「俺が誰か何てことはどうでもいい。俺は今、俺が知っている情報をお前に知らせにきた。」
情報の提供。
どうやらそれが目的らしい。
「今さっきの後であんたの話しが信じられるとでも?」
「お前が奏や陣、竜也の心配をしているなら信じられなくとも俺の話しを聞くメリットはあると思うのだが」
確かに男の言う通りだった。
今、護にはこの世界の知識も情報もないのだ。
それに男は、奏達を知っている。
それだけで聞く価値はあるのではないだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!