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「言葉自体が存在しない?」
「そうだ。この世界の歴史でそれらを示す言葉はない。お前が言う探偵の仕事は歴史の中でギルドに所属しているギルド員がこなして来たものだ。」
「つまり、俺がギルド員みたいだ。そう言えばサーシャに伝わったのか?」
男は静かに頷いた。
護は再びサーシャとのやり取りを思い返した。
外国人とは他の種族ということか。
サーシャが言った言葉だ。
「外国人と言う言葉はないが他種族と言う言葉はあるのか。」
なんとなくだが護は仕組みが分かってきた。
「お前の世界とこの世界は積み上げてきた歴史が違う。だから、そういったズレは他にも存在するだろう。」
それだけ言って男は再度テーブルの上に何かを放った。
綺麗な放物線を描きテーブルに着地した三枚のコイン。
「それが金銭だ。」
男の投げたコインは三種。
銅貨と銀貨、それと金貨だ。
「これ一枚、いくらなんだ?」
護は銅貨を掴み男に訊ねた。
「いくらと訊ねられても困るな。あえて価値を言うなら、その金貨とこの剣は同じぐらいだろう。」
男は背中の剣を指差す。
しかし、護からしたら剣で例えられた所で全く理解することは出来なかった。
「じゃあ、これでどうやって買い物とかするんだ。」
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