02:都市の陰り

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「お前の世界と一緒だ店側が提示した貨幣を必要枚数払えばいい。」 元の世界と一緒なら何とかなるだろうと護は安心した。 「これで説明は終わりだ。後はお前の力で何とかしろ。」 そして、次から本題だと男が言った。 緊張に包まれた部屋。 重苦しい空気の中男は口を開く。 「今から一ヶ月前、奏が北の大陸に。その十日後陣が東。今から一週間前に火向姉弟が南の大陸に降り立った。」 護は自分が考えていた通りの結果に内心舌打ちをした。 しかし、護は男の話に疑問に思うことがいくつかあった。 「何で時間がバラバラなんだ?」 その一つがこれだ。 護達は飛ばされる直前一緒にいたのだ。 なら、何故奏がこの世界に来てから俺がこの世界に来るまで一ヶ月という時間の差ができてしまったのか。 護の問いを訊いて男は何やら思い出したような素振りをした。 「お前に1ついい忘れていた。この世界には魔法という概念がある。」 「魔法って何もない所から火を出したりするやつか?」 にわかに信じ難いが護はこの世界が異世界だと知っている分強く否定すること出来なかった。
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