02:都市の陰り

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護は軽く息を整え、間違っていたら謝ってすぐに出てくればいいと心の中で復唱しながら建物の扉を開けた。 「すみません。ギル―――」 「いらっしゃい!武器屋アーニャにようこそ。本日はどの―――」 「失礼いたしました!!」 護は一瞬のうちに踵を返し建物の外へと離脱した。 護の心臓は大きく拍動し体温は急激に上昇する。 「ぶ、武器屋って紛らわしいだろ。」 深呼吸して自身を落ち着かせる。 「あ、あの~深呼吸してる所で悪いんだけどこのギルドになんか用?」 先ほどの建物の扉から顔を出す女性。 恐らく先ほど武器屋を語ったのは彼女だ。 「でも、さっき武器屋って………」 「あはは、ちょっとしたイタズラだって♪まさか引っ掛かる人がいるとは思わなかったし。」 この後、アーニャと自己紹介したこの女性は護を建物の中へと案内した。 「本当にごめんね。人が来るの久々だったからついね。」 そう言いながら、丸いテーブルの上にお菓子とティーセットが準備される。 護は楽しそうに準備するアーニャから目線を離すことができなかった。
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