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「私達ギルドの仕事はね簡単な物から不可能だと言わざる負えないような難しい依頼を依頼者やそれに連なる人達の為にこなす事なの。」
依頼の途中で死んでいく者もいると彼女は悲しそうな顔をして言った。
「ギルドに入るのは自由よ。意思のある者を拒むことはしない。でも、人探しが理由ならさっきも言ったように私達に依頼を出しなさい。私達を利用しなさい。あなたがギルドに入る必要はないの。」
彼女はその目に薄い水の膜を作り断言した。
「今のあなたがギルドに入っても探し人を見つけることなく犬死にするだけよ。」
静寂。
アーニャの言うことはもっともだった。
戦えないやつが戦いに身を投じればその結果は目に見えている。
利用しなさいと言い直したのは恐らく彼女の優しさなのだろう。
護は心の中で彼女の優しさに感謝し呟いた。
「ギルドに入るのは自由。なら俺が入っても大丈夫なんですね。」
その言葉に目を見開いたアーニャだったがそれは瞬く間に鋭い目付きへと変わり、護を睨み付けた。
「分かった。それがあなたの答えならもう言うことはないわ。」
そう言って席から立ち上がったアーニャは受付のカウンター裏から一枚の用紙を取ってきた。
「これに名前を記入して。それだけでいいわ。」
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