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「その………俺、もっとサーシャに訊かないといけない事があって、だから―――」
「分かってるのです。だからお帰りなさいなのですよぉ護。」
絶えず笑顔の彼女。
「えーと、ただいま。」
彼女の笑顔ですっかり朝の決意を忘れた護はこの城で再びお世話になることとなった。
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城に戻ってきた護はサーシャからこの街を治めている王に会ってほしい。
つまりは、サーシャの父親に会ってほしいと話しを持ちかけられた。
この城でお世話になる以上延いては今後のことも考慮して護はサーシャの申し出を快諾した。
「お父様サーシャなのです護を連れて来ました。」
他の部屋の扉とは明らかに違う装飾の扉。
そこが王の寝室だと強く印象付けられてしてしまう。
「そうか、入りたまえ。」
「失礼するのです。」
と重々しい装飾の扉を開け、一礼して部屋へと入るサーシャ。
護もサーシャに習い後に続いた。
部屋の中は思ったよりも広くなく、中央にベッド。それを囲むように壁に並んだ本棚と小さな机。
寝室というよりも書斎に近い一室だった。
「わざわざ赴いてもらった上にこんな形で君と話す私をどうか許してほしい。」
ベッドの上で上半身だけ起こしている白髪の男性が此方に頭を下げた。
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