02:都市の陰り

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「いえ、気にしないでください。」 サーシャと同じ白い髪をした男性は今や窶れて疲れきった顔をしているが本来はもっと若々しい顔つきをしているであろうことが窺える。 「私はウィゼル・エリオ。こんな姿でも一応この街を治める王だ。」 「俺――私は星見 護と言います。」 相手が王ということもあって言葉使いに気を使ってみるが物凄くぎこちない挨拶になってしまった。 それを聞いていたサーシャとウィゼルは小さく笑う。 「そんなに気を張らなくていい。君の自然体のまま話してもらって構わない。」 そういうことは早く言ってもらいたかった。 護は体温が上がるのを僅に感じた。 「護君。君の話はサーシャから聞いている。にわかに信じがたいが異世界から来たと言うことも含め色々な。」 どうやらサーシャが事前に話してくれていたらしい。 「それを踏まえた上で君に訊ねておきたい。これからどうしていくのかを。」 「俺はこの世界に一緒に来た友達を探します。その為に今日、ギルドにも行ってきました。」 2人共驚きを隠せずにいた。
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