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「へ?」
サーシャはわけが分からず間抜けな声を漏らす。
「これから護君と大切な話しをしなければならない。いいな?」
大切な話し。
その言葉を聞いただけで護の身体は石のように固まった。
ウィゼルの言葉に頷き静かに退室したサーシャ。
今、部屋には王様と護の2人だけ。
護の頭は真っ白になった。
「護君。」
「は、はい。」
上擦ってしまいそうな声を押さえ込みかろうじて護は返事をする。
「私はまた君に謝らねばならない。」
「その、何故ですか?」
大切な話しとはこの事なのだろうか。
しかし、王様に謝罪されるようなことが護には身に覚えがない。
「サーシャが君をこの街に連れて来たのは一つの過ちだ。」
「星退病のことですね。」
ウィゼルの言いたい事がすぐに理解できた。
「そうだ。病が街に蔓延してる今、この街に君を連れてくるべきではなかった。私の娘のせいで君も発病する可能性があるかもしれない。」
本当にすまない。
そう言ってウィゼルは深く頭下げた。
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