02:都市の陰り

36/39
前へ
/70ページ
次へ
早いもので異世界に来てから2日経った。 サーシャのおかげで不自由は無いがこのままではいけないと護は頭を悩ませた。 例えば、というより数ある問題の筆頭とも呼べるものが 文字の読み書きだ。 昨日、夕方の一件の後に 護はサーシャに星退病についての資料は無いかと 訊ね城にある書庫へと案内してもらった。 そこまではよかった。 だが、護は他者と変に言葉が通じてしまうせいで自身が読み書き出来ないことをすっかり忘れていたのだ。 事情を知ったサーシャは 山のような本の中から星退病について書かれている本を自身1人で探してみせると志願し、護はサーシャの申し出に甘えこの世界の文字の勉強に専念することにした。 それからどのくらい時間が経ったのだろうか。 思っていた以上に星退病についての資料が無く本の発見は困難を極めることとなったが、それでもサーシャの奮闘のおかげでどうにか星退病の資料を発見することができた。 しかし、ここでも例の問題が浮上する。 読み書きが出来ないとは何と不憫かつ申し訳ないことか護は痛感した。 その後、サーシャは見つけた本の内容を護に聞かせ、同時に文字の勉強まで手伝ってくれる始末。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加