02:都市の陰り

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「甘いですよリアス。ウィゼル様が星退病の調査を中断させてまで私達をここに戻した訳をよく考えなさい。」 「ふむ、獅子は我が子を千尋の谷に落とすと言うがそれと似たようなものか。」 リアスは顎に手を添え感慨深そうな表情をした。 「私達が新たに受けた命は彼を育てることです。そして、彼を見て私は確信しました。」 アルシエは踵を返し使用人の仕事へと戻る。 リアスは小さく笑いアルシエの背中に訪ねた。 「何をだい?」 何を確信したのか?そんなことわざわざ聞かなくてもリアスは分かりきっていた。 リアスとアルシエはそれだけ長い歳月を共に過ごしてきたのだから。 「そんなの決まっているではないですか。」 アルシエは立ち止まる 「彼はこの街を救える人間だということですよ。」 振り返ること無くそれだけをリアスに伝えてアルシエは再び歩き出す。 「同感だよ。」 リアスはアルシエの後を追う。 久々の遣り甲斐がある仕事に二人は少しだけ心を躍らせていた。
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