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思い返しただけでも頭が痛くなる。
少年は蟀谷を押さえ深々とため息を漏らしベッドから立ち上がる。
足元のゴミを器用に足で退けながら
配線類が木の根っこの様に這うその奥。
画面が青白く光るやや小さめの箱に向かって体を引きずっていく。
「えっと。今何時」
青白く光る画面
やや小さめのパソコンを覗きこむ。
AM7:30
画面にデジタルで表示されたそれを見て
一気に脳が覚醒した。
「あっ、やば。」
と、声を洩らした瞬間
嵐のような呼び鈴の音と扉を叩く音が部屋に響き渡る。
「あ゙ぁ゙ぁぁぁぁぁぁ。」
少年は響き渡る音の嵐に苦悩の唸りをあげながら耳を塞ぎ
ベッドへ飛び込んだ後に薄い掛け布団を頭から被った。
少年は、自分の過ちを悔いた。
今日はあの日だとわかっていながら何故もっと早く起きて対策をとらなかったのかと。
「大丈夫だ。大丈夫。そのうち諦めて帰る」
あいつにも、予定があるいつまでもここで時間を無駄にするわけにもいかない。
だから、大丈夫。
少年は掛け布団を被りながら静かにその時を待った。
が、しかしそんなことはなく音が止む気配はない
いや、むしろ悪化している。
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