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その刹那、校長の耳に雷鳴の様な激しく異常な爆音が聞こえた。
鼓膜を揺さぶるその音は、目を閉ざさずには要られぬ程の恐怖感を持たせるものだった。
閉じた目を開き、校長が気付いた時、既に胸ぐらはブロントの手のひらに捕まれ、左手が首を締め付けんとしていた。
「…それ以上言うな。言えば…」
渇いた声でブロントは言った。
それは冷たく、恐ろしく、そして寂しい響きのものだった。
かれ
だが、校長とて目的もなくこんな事をしている訳ではない。
同じように冷たく言葉の刃を言い放った。
「言えばどうする?殺すかね?構わんとも。だが、殺してどうなる?君が私を殺すのは簡単だろう。一般人だからね、私は。だが、既に過去に見捨てられた君が、今私を殺せば、未来をも捨てる事になるぞ?」
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