プロローグ

2/4
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/65ページ
夢の中で懐かしい声が聞こえた。 振り向くと彼女はそこにいた。 僕は彼女に最後の言葉を告げる。 古き親友であり、また幼なじみでもある彼女に別れの言葉を。 何故? どうして泣くの? 僕の為に泣いてくれているの? 優しいね、君は。 でも、ごめん。 もう君の優しさには応えられなくなってしまうんだ。 ああ。 もう行かなくちゃ。 電車のエンジン音がやたらと五月蝿い。 普段なら気にも止めないそれが、駅のホームそのものを鳴動させて聞こえるのは、やはり未練を残しているせいかもしれない。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!