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携帯の画面からこぼれる光で、プールの底に人がうつ伏せに倒れているのが見えた。
「…芳村…携帯よこせ…」
俺は芳村の携帯を持って、プールの底に飛び降りた。
倒れているのは男のようだ。
俺が近づいても微動だにしない。
そして俺は、そのうつ伏せに倒れている男を足でひっくり返し、顔に携帯の光を向けた。
「圭介……!」
…そこに倒れていたのは…変わり果てた姿となった圭介だった…。
圭介は目を見開いたままピクリとも動かない…。
喉や腹から大量に血が流れ、辺りには血だまりが出来ていた。
「浩樹、これは…圭介か…?」
芳村もプールに降りてきたようだ。
「まさか…死んでるのか…?」
芳村は圭介の顔を恐る恐る、覗き込みながら言った。
圭介が既に事切れているのは、一目瞭然だった…。
「どういう事なんだ…?」
俺は状況を把握出来ずに呆然としていた。
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