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春休みだけあって店は、学生や子連れのママさん達などで混雑していた。にしても、久しぶりに外に来てここまで騒がしいとテンションが下がる。
「なぁ、晃希そろそろ始めようぜーん!」
隣で、悪友の一人江口健(エグチケン)が言う。江口は俺が中学時代からつるんでいる悪友の一人で、一緒の高校に進む予定だ。身長は俺と同じくらいの一七〇センチ弱くらい。
顔は……失礼かもしれないが、猿みたいでイマイチだ。ニックネームは名前をいじってエロケン(最近はあまり呼ばれないが)。
俺はポテトを食べながら考える。しかし、せっかく取った席を手放すのは惜しい。でも、目的が目的だからしょうがない。
「そうだな。そろそろ始めるか。ちなみに事が始まったら俺のことは高崎大佐と呼べ。分かったな。江口少尉」
俺の風格ある言葉のあと、江口(少尉)が不服そうな顔で言う。
「まだ、少尉のままなんですか高崎大佐? 前回俺……いえ自分は奮闘したじゃないですか? そろそろ昇格させてくれても良いじゃないですか?」
「いや。結局、前回は俺が勝ったから昇格はなしだ」
江口はまだ不満そうにぶつぶつ何か言っていたが、勝負の世界だから仕方がない。この勝負については、後程説明しよう。
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