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少し間を開けてもう一人の悪友が口を開く。
「それで、今回のテーマってどうするんですか高崎先輩?」
もう一人の悪友は、佐藤翔(サトウショウ)と言う。俺と江口の中学の後輩で、俺が卒業してからも結構つるんでいる。いわゆる忠実な舎弟って感じだ。
「よくぞ聞いてくれた佐藤少佐。今回のテーマは……」
「ちょっと待て。なんで、俺より佐藤の方が階級が上なんだ?」
思ったより鋭い。江口はもっと鈍い奴だと思っていたんだがな。
「口を慎め江口少尉。佐藤少佐に失礼だろうが! 単純に佐藤の方がエロセン(エロいセンス)が上だからだ」
「確かに、佐藤のエロセンは認めるぜ。でも、戦績は互角ぐらいじゃないのか?」
「いや、ギリギリでお前の負けだ江口」
悔しそうな表情で江口が言う。
「マジか~。このままだとまたもってかれちまうじゃん」
江口のテンションが極端に下がったが、とりあえず放置しよう。
「……気を取り直して言うと、今回のテーマはお姉さん系だ」
さっきまで沈んでいたはずの江口が、急に目を輝かせて言う。
「ふっ。高崎大佐、そのテーマなら俺が貰ったぜ~!」
「江口先輩、年上を選ぶセンスはすごいですからね~。僕も気が抜けません」
俺は特に慌てもせずに告げる。
「まぁ、今回は江口の得意部門にしてやったんだ。ハンデだと思ってくれたまえ江口少尉」
「その余裕がいつまで続くかな高崎大佐。今回で下剋上じゃー!」
やたらとハイテンションに江口が叫ぶ。声が大きかったためか、かなり見られてる気がする。が、そんなことを気にしていてはこの勝負は成り立たない。
「時間制限は一時間。だから、大体五時頃までだな。終わったらまた、このファーストフード店に集合な。では、第十回ガールズウォッチングの開催をここに宣言する。各員の健闘を祈る」
「よっしゃー!!」
二人の叫び声を合図に、ガールズウォッチングが始まる。
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