序章 始まりの息吹

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「は?」 その言葉に、彼も店主も黙りこくってしまい店の中が一瞬シンと静まり返った。 「採掘道具でしたら私が持っていますし、採掘も慣れていますから」 「分かってんのか? 山は危険でいっぱいなんだぞ」 彼はなにを言ってるんだと呆れるように言う。 「それは分かってます。でも、私の……その剣を買ってくれる人をちゃんと見ておきたくて」 「そうだな。旅に出るんならそのくらい出来なきゃな」 店主も彼女の同行に乗り気のようだ。 「おいおい、こんな子供のお守りも依頼の内容に入ってんのか?」 「子供……ですか」 彼女の同行には納得出来ていない様子で不満を口にする。 子供と言われてリアンも少し落ち込み気味になる。 「どっちも似たような物だろ。ガキ同士仲良くやりな」 店主がその大きな手で、二人の頭を掴むように撫で回す。どうみても同行に賛成の勢いのようだ。 互いに背丈はさほど変わらない。若干彼のが大きい程度だ。 「はぁ……足だけは引っ張るなよな」 顔を手で覆い隠しつつ、大きな溜め息をつきもう半ば自棄気味に同意した。 「はい。あ、あの。そう言えば名前を聞いてませんでした」 名前を呼ぼうとしたがまだ分からないからと口をもごつかす。 「……ケイラ」 面倒くさそうに呟いた。 「ケイラさん! よろしくお願いします」 改めて深いお辞儀と共にケイラと同行することが決まった。
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