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【２年生.バレンタインデー】
私は毎年あげていた
バレンタインのチョコを
２年生の時は
渡さなかった。
と言うより、
渡せなかった。
貰ってくれなかったら
どうしよう、
いらないっていわれたら
どうしよう。
そんな嫌な考えばっかりで
結局渡せなかった。
この日の夜、
お母さんに
「亮夜君にチョコあげなくてよかったの？」
と、聞かれたが
私は黙って
静かに頷いた。
何も返す言葉がなかった。
見透かされるようで
怖かった。
初めて
裏切られることは、
こんなにも辛い事なんだと
知った。
私はその夜、
幼いながらに
「枕を濡らす」
ことをした。
自分の気持ちを
無理矢理押さえ込むと、
こんなにも涙が
出るのだと。
こんなにも
辛いのだと。
こんなにも
苦しいのだと。
こんなにも
悲しいのだと……。
私は
亮夜の事が
こんなにも好きなのだと
改めて思い知らされた。
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