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『……皐月を…助けて…少年…両親にお話し…』
皐月は目を覚ますと真っ白な部屋にいた。
ドアの外から母親の声がする。
何を話しているかハッキリとは聞こえないが、事故の話だろう。
「ここは…病院??アタシ、事故にあってそれで……うっ。」
事故を思い出すと頭が痛くなり、さらに吐気がした。
母親が病室に入ってきた。
その後ろには見知らぬ人がいた。
「あら、起きていたの。気分はどう??」
皐月は喋ることが出来ず、ただ首を横に振った。
「そう…そうよね。あんなことがあったんだもの。こちらは白井さん。刑事さん。貴方から事故の話を聞きたいって…。」
皐月はあの事故を思い出したくなかった。
忘れたくても、忘れられないのだが…。
人が目の前で死んだのだから…。
「すまないが、少し話を聞かせてくれないか??辛いだろうが事故の詳細を知りたいんでね。」
皐月は少し悲しい顔をすると、ぽつりぽつりと話だした。
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