眠れぬ夜に…

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俺はその人影を 見上げた ……… 人影は女だった こんな姿の俺を見ても 無表情な顔のまま かなりの美人だ 女はジッと俺を見てる 『…何だよ』 ボソッと俺は呟く 「………」 「どうしたんですか?」 顔に似合わない 可愛らしい声で女が言った 『…うるせぇな』 そんな声も 今の俺じゃ神経を逆撫でするだけだった 「転んだんですか?」 ……… 『は?』 思わず女の顔を見る 「ずいぶん派手に 転んだんですね」 言って明るく笑う ……… 俺は無視して歩きだす 「あの… 救急車呼びましょうか?」 『いらねぇよ』 「でも すごい血が出てるし…」 「フラフラじゃないですか…」 『………』 「あの…」  
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