第二章 歪んだコスモス

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 午前7時。楓は職員室にいた。  まだ他の教員は誰も来ていない。きっと8時頃になるまで来ないだろう。  楓もそのつもりだったのだが、緊張して早く起きてしまったのだ。  ふと、隣の机の花瓶にかざったコスモスが萎れていることにきづき、それに触れようとした、時。  「あれーっ!誰かいる!」  声に驚き、楓は振り返った。こんな時間に登校している生徒がいるなんて…  だが、振り返った楓はさらに驚いた。その少女の風貌に。  にっこり笑うその目の上、眉のあたりに切り揃えられた前髪、同じく腰の当たりで切り揃えられた黒い長髪。そして、紅い着物を纏っていた。  小学生の私服とはとても思えない。いうなれば、そう。 「座敷…童…?」  言った後に、楓はハッと我に帰った。 (何言ってんのアタシ…この子は生徒よ!) そう考えを改めると、楓はキッと少女を睨みつけた。 (来たばっかだからって、なめられてたまるもんですか!!) 「何してるの!!早く着替えてきなさい!」  怒声を聞き、少女は一瞬きょとんとしたが、やがて笑いだした。  「…キャハハハハ!」 「何がおかしいの!!」 「おかしいよ、お姉さん」
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