第二章 歪んだコスモス

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 笑いを止め、にっこり笑うと。ふわり、少女は舞った。 「え…?」 高く、天井に届きそうなくらい高く飛び、バク転した。その間ずっと笑っている。  とん、と窓際の机、熱帯魚の水槽の隣に着地した。 「私にそんなこと言う人初めてだもん♪」 「な…に…」 「ふふふっ」  くすくす笑う少女とは対象的に、楓はただただ混乱していた。 (この子…人間じゃないの!?) 「人間だよ」 「!!」 心の声に答えるように、少女は言った。 「私は人間だよ」 もう一度確認するように言うと、力を入れずぽんっと飛び上がり楓の目の前に降り立った。  机の上の書類が地面に散らばる。
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