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「何なのよもう…」
楓はため息とともに手を開いた。その中には、少女からの贈り物。
「…かんざし?」
細い、透き通るような朱色のかんざし。楓は団子頭に指してみた。
「せっかくくれたんだし…ね…」
ふるふると頭を振り、落ちないのを確認していると
「お、早いのぉ」
先程の少女とは正反対な老人の声。先ほどより落ち着いて振り向けた。声の主がわかっていたから。
「おはようございます、校長」
挨拶をすると、校長はにっこりと笑い、机に座った。ドアから一番遠い奥の、一番大きい机。
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