第二章 歪んだコスモス

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 「何なのよもう…」 楓はため息とともに手を開いた。その中には、少女からの贈り物。 「…かんざし?」 細い、透き通るような朱色のかんざし。楓は団子頭に指してみた。  「せっかくくれたんだし…ね…」 ふるふると頭を振り、落ちないのを確認していると  「お、早いのぉ」 先程の少女とは正反対な老人の声。先ほどより落ち着いて振り向けた。声の主がわかっていたから。 「おはようございます、校長」  挨拶をすると、校長はにっこりと笑い、机に座った。ドアから一番遠い奥の、一番大きい机。
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