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楓は走り出した。自宅とは逆の方向に。
『…それは本当ですか!?』
『あぁ間違いない、長からの伝達だ。<早急に捕らえ、殺せ>と。』
『でもまさかそんなことが…』
『とりあえず、そいつの家はもう燃やした。後は村人全員でそいつを叩き殺すだけだ。』
『わかりました!子供たちにも協力させます』
『頼んだ。あと、他の方々にもこう伝達を回してくれ』
江口 楓を
殺せ
「はぁっはぁっはぁっ…」
怖かった。まだその会話だけならよかったが、実際家の方角を見ると、いつの間にかめらめらと炎が上がっていたのだから。
(なんでっ…どうして…!!?)
裸足でよかった。ハイヒールなんかじゃ、走れなかった。それくらい楓は必死に走っていた。
心が叫んでいた。
「アノ ヒト タチ ハ ホンキ ダ。
ワタシ ハ コロサレル」
と。
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